ルイヴィトン バッグの真贋鑑定依頼をいただきました。
とある全国にある有名ブランドショップで一年前に購入されたそうです。
最近売却を検討しており、4件の有名ブランド買取店に見積もりを出したのですが、すべての店で買取できないと断られたため、当店に真贋鑑定を依頼された経緯です。
当然ご本人様は偽物だと思い込み購入店に問い合わせました、しかし購入店の担当者は偽物だと証明できる物をください!と言うことを言われたそうです。
そんなものはなかなか手に入れることはできなく、
ヴィトンの正規店に修理見積もりを出されました。
ヴィトンの答えは修理出来ない、という返答だった為に完全にコピー品ではないかと疑いがさらに上がってしまったそうです。
LINEから当店に真贋鑑定相談をまずいただき、画像で本物と判断できました。
でも、なぜ?
1つずつ解析していきます。
1:まずヴィトンでの修理を断られた経緯は、少し汚が取れえない部分がありその部分を交換したいという依頼をされたそうです。
しかしすべての部分を交換することはできないことがあります。よく壊れる取っ手部分やチャックなどはまず交換できますが、一部分の生地を交換となると修理してもデザインが変わったり、強度が保てなくなる部分は正規店ではお断りされます。
2:買取店4店で買取を断られた原因は、
おそらくMADE IN ITALY の内部のタグがあったからと思われます。
それは買取見積もりに出した質屋さんでの回答で、このバッグはスペイン製が多いから買取できないというようなことを言われたそうです。
確かにヴィトンのバッグはフランスかスペインの製造が多くイタリアは小物がほとんどでした。
しかし最近ではイタリアのバック工場があり盛んに作られています。
当然イタリアの工場番号のシリアルが刻印されておりますが、昔から買取している鑑定士は見たことない刻印ですしMEDA IN ITALYという刻印ですので偽物と判断したのでしょう。
参考までに、逆にMADE IN ITALY のヴィトンのバッグの偽物はレアですので今のところ本物とみていいでしょう。
さらにシリアル刻印されている革の部分が柔らかくシボが多い革だったため工場番号の刻印が鮮明に読めなく、FLと読めるように見えました。
しかしFLの刻印はフランスの製造になるのでMADE IN ITALYの刻印があるのはおかしいという判断だと思います。
画像で見る限り、縫製、バランス、質感、金具とも本物と変わらない物でしたので正規品の簡易鑑定をさせていただきました。
さらに、売却希望のバッグでしたので当店で買取させていただく運びとなりました。
買取時、実物のバッグを見させていただいたので、シリアルを小型顕微鏡で見ましたらFLの刻印ではなくPLの刻印でした。なかなか肉眼では判断できないでしょう。
PLはイタリア製ですので間違いない判断でした。
最近のイタリア製造の工場番号を紹介します。
BA,BC,BO,CE,CL,FA,FH,FK,FN,FO,FP,FJ,FY,LE,MA,NQ,NZ,OB,PL,RE,RC,RO,ST,TB,TD
という具合です。
少し前までは
BC,BO,CE,FO,MA,RC,RE,TD
でしたのでかなりシリアルが増えましたね。
このようにちゃんとした店で購入したブランド品なのに、買取店で断られた方、一度ラインからご相談ください。
大体の買取店ではバッグの作りよりもシリアルや刻印が少しでも違ったら買取を断られることが多いです。
完全に本物のヴィトンでも、あり得ないシリアル番号を見たことがあります、その場合は やはり二次流通させるとトラブルになったり本当に偽物だったりしますので買取店もマニュアル的に対応しない店が多いのは事実です。
当店でも明らかに本物であろうというものでも ありえない刻印は、買取はお断りすることがありますが、はっきりと説明してお断りしています、二次流通でクレームになるようなもの限定ですが・・・。
この度は鑑定&買取のご依頼ありがとうございました。