ロレックスの中でも一番買取件数が多いといってもいいデイトジャストですが、昔からの流通量が多いためよくベルトがたわんでしまっている物がよく買取に来ます。
そのまま中古市場に流通させても状態が悪いため高額での取引とならないことがある為、ベルトのたわみや伸びを修理して流通させることがあります。
ベルトの伸びは直せない!とうい常識がありますが、完全に新品同様にならなくてもなんとか締まったベルトへのメンテナンスは可能です。
修復内容をご紹介します。
こちらがデイトジャスト5連ブレス用逆バイスです。
構造はいたってシンプルで、普通の万力の逆で引っ張って5連ブレスの一番端っこの駒を抜くだけです。
そんなのハンマーやペンチで抜けないの?と思う方もいると思いますがこれがなかなか抜けないのです、抜けたところで傷だらけがオチです!
メンズ・レディース・ボーイズサイズ関係なく駒を引っ張ることができます。
バイスの幅を調整してベルト幅に合わせます。
バイスの先端の詰めを駒の端の駒にひっかけてダイヤルを回し、引っ張っていきます。
硬いのでダイヤルに穴が開いてますのでその穴にシャフトを差し、高トルクで回せるようにできます。
こちらがバイスの爪です、この爪を駒にひっかけます。
丸い穴は上下に移動させるためのシャフトを通す穴です。
丸く削れているところはベルト端の駒のふくらみ部分にあてるために丸く削られています。
ダイヤルを回すとこのように開いていきます。
ピンから駒が外れたら終了です、爪を外してベルトをバイスから離します。
こちらが外れた駒です。
二本のシャフトを見てもらうと、中央から駒にかけてシャフトが削れています。
この削られた部分がベルトのたるみにつながりますので、二本のシャフトを交換します。
金の部分とステンレスの駒の部分ももちろん削れていますが、こちらは交換か作り直すしかありません、
金の部分を純製品で交換したい場合は、ベルト調整時に外した駒を利用することをお勧めします、ヤフオクなどで売っています。
一コマ3000-4000円ほどですので、一コマ金の部分が3個ついていますので一個あたり1200円ほどです。
一から金の部品を作り直そうとすると結構な彫金技術が必要となります。
片方にシャフトが圧着されてついていますので、この部分もバイスに取り付けて固定して、今度はペンチで引き抜きます。
このような形のエンドニッパーが引き抜きやすいです。
駒にひっかけれる金具があれば、金具にひっかけて引き抜いてもいいです。
※専用バイスでひっかけてペンチで引き抜くと傷がつくことがあります。
両端にギザギザのついた圧着ピンギザギザ部分の直径1.21mmのものを刺してバイス(万力)で圧着していくだけです。
この時のバイスは取り外しに使ったバイスでは圧着できません、専用のバイスはありますが高価ですので、普通に売られているバイスでも圧着できます。
できるだけ回転させるためのシャフトが長いものがよいでしょう!結構力が要ります。
バイスの当て面はできるだけつるつるしたものがいいです、駒に傷がつくため。
こちらが専用の圧着バイスです。
なんとか一般的なバイスでも行けそうな雰囲気ですが、やはり専用のほうが使いやすいです。
デイトジャストの場合時計本体に行くほど幅が広がっていきますのでバックル側の細いところから圧着させていくのがいいです。
交換前と交換後の比較画像です。
駒と駒の間の隙間が埋まり、ベルトの伸びがなくなりました。
こちらはベルト調整用駒から金の部分を移植していますので金の部分も一部リフレッシュされています。
いかがでしたか?
駒のピンを新しく交換するだけで結構伸びは改善されます。
かなりハードに使われた時計の場合、金の部分やステンレスの部分も削られていますので、その場合綺麗な見た目にはならないですが、それでもピンを交換しないよりはマシです。
中にはピンが湾曲していることもありますので交換がオススメです。
バイス購入希望の方はラインでご連絡ください。
三週間ほどお時間いただければ手配できます、逆バイス・圧着バイス・三連バイスとも1個あたり税込み29800円です。三点購入の方は1万円値引きできます(合計79400円)。
キャンセルできないので最初に購入手付金1万円最初にいただきます。
こちらがサブマリーナやデイトナなどで使われている三連ブレス用の逆バイスです。
三個ある六角ネジで圧着させて引っ張る感じです、滑らせると傷つくので慎重に作業しないといけません。
三連ブレスでたわんでいるベルトはかなりの使用頻度ですので、直すとかなり見た目がよくなりますよね。